〈絵に対する想い〉

 

小さいころから絵を描くのが好きで、当時欲しかった 着せ替え人形 を描いてつくって遊んだり、買ってもらえなかった ミッキーマウスの時計 を描いて、部屋に飾ったりしていました。

 

 

大学で神戸へ出てきた頃から、絵画展に足を運ぶようになりました。

「これは何色で描いてるんやろう?」と思いながら、じっくり絵を見て回るのがとても好きでした。

 

また、食器の繊細で美しいデザインにも惹かれ、食器屋さんによく通い、

「いつか欲しい!」とうっとりする日々。

 

 

美しい色合い、形、模様、そんなものが大好きでした。

 

 

新婚旅行の時にスイスで見つけた、40色入りの大きな色鉛筆に惹かれたのですが・・・

そのときは買えず、帰国してから梅田の画材屋さんで見つけ、無事にカランダッシュの40色入り色鉛筆を手に入れました。

 

主婦として、二人の娘を育てながら、「自分も何かしたい」という思いをもつようになり、「何か書くという仕事はできないか?」と考え始めました。

 

ある日、「やってみたいなあ」と思っていた“赤ペン先生”の募集を見つけ、家にいながら「文字を書く」という仕事を始めました。

子どもたちからの可愛いお手紙に癒されながら、楽しく「書く」という仕事をしていましたが、段々インターネットが導入されていき、もともとやりたかった「紙に手で何かを書く」という仕事から、パソコンを使っての仕事へと変わっていきました。

 

「やりたかったこととちがう」

 

そんな違和感を感じながらも、仕事を続けていましたが、2013年の冬、体調を崩して続けられない状態になってしまい、ついにその仕事を辞めることになりました。

 

身体はラクになったもののぽっかり空いた時間。

 

「果たして私は何をしたいのか?」

10年前、自分に投げかけた問いが、もう一度浮かび上がってきました。

 

そんな想いを抱えながら毎日を過ごしていた時、水彩色鉛筆を使って絵を描く方法が書かれた本に出逢います。

 

20年以上前に買った、あの大きな色鉛筆を引っ張り出してきて、 その本を見ながら絵を描き始めました。

 

それまでドライでしか描いたことのなかった水彩色鉛筆を水で滲ませた瞬間の、

 

「なんてきれいなんだろう!」

 

という感動は、今でも忘れられません。

 

それからは、すっかり「色」の虜になり、白い画用紙にいろんな色を描く毎日。

 

そのうちに、「なにを描こうかな」と考えていると、

 

ポンッと頭に絵が浮かぶようになりました。

 

 

なかなか頭に浮かんだ絵と同じように描けない自分に葛藤しながらも、楽しく絵を描いていると、図書館でおはなし会をしていた娘たちから、「物語に絵を描いてほしい」と言われ、毎月1枚、子どもたちに見せるための絵を描き始めます。

 

その物語はYouTubeを通して配信する作品として形を変えていますが、私は今も変わらず作品の絵を担当しています。